BRUTUS:ダライ・ラマ特集
BRUTUSの今日3/15発売号の特集「ダライ・ラマのことを、どこまで知ってますか?」。
本屋で見てきました。
ウリはダライ・ラマへのロングインタビュー。全体としてマジメに作ろうとしてる雰囲気はわかります。
が、ダライ・ラマにインタビューしてる方が、「欲望をどう考えますか。私は時としてセックスへの衝動が」みたいなのとか、「ドラッグをどう考えますか」とか。
まぁ、色々ツラい浮世ですから、お悩みなのはわかりますが、それを聞く人を間違ってませんかね~。何でも電話相談室じゃあるまいし、みたいなのもあって、こりゃどうもなぁ、と。
このインタビューを見て思い出したのは、マーティン・スコセッシのダライ・ラマ14世の半世紀を描いた映画”Kundun(クンドゥン、1998)"のラストシーン。亡命の果てにたどりつた、インドの国境でのインド兵士のやりとり。
兵士:With all respect, may I ask? Who are you?
テンジン・ギャンツォ(ダライ・ラマ14世):What you see before you is a man. A simple monk.
兵士:Are you the Lord Buddha?
テンジン・ギャンツォ:I think I am a reflection,like the moon on water. When you see me, and I try to be a good man, see yourself
訳してみると、こんなところでしょうかね。
兵士:敬意を込めて伺います。あなたは誰ですか。
テンジン・ギャンツオ:あなたの前にいるのは一人の男だ。ただの僧侶だ。
兵士:あなたは仏陀なのですか。
テンジン・ギャンツォ:私は水に映る月の影のようなものだと。あなたは私の前にいて、私はよき人であろうとしている。あなたも自分自身を見てみるがいい。
ダライ・ラマは本当は何も答えず、また答えてくれないのかもしれない。結局はその問いを発した自分の影をみているのかもしれない、のかもね。
See Yourself.
The comments to this entry are closed.
Comments