« ダライ・ラマ法王来日(その2) | Main | 報道:ダライ・ラマ法王の動静 »

2005.04.10

ダライ・ラマ東京講演会

ダライ・ラマ法王東京講演会に行きました。

以下は私のメモです。
講演は英語が1/3、残りがチベット語というところ。
英語は何とかついていけたところもあったんですが、基本は通訳のマリア・リンチェンさん他の逐語訳のメモ。
録音禁止だったので必死にメモ取りましたが、一言一句正確じゃありませんし、私の解釈が反映した要約でもあります。てことで、当然のことながら、ありうべき間違いは当サイト管理人の責任です。

国技館満杯のすげー人出でした。

講演は2時間で、うち1時間半がダライ・ラマ法王の「思いやりと人間関係」とした講演。残りが質疑応答でした。
大体こんなところということで。

講演開始20分後くらいに、ダライ・ラマ法王は、
「これからサングラスをかけます。ライトがまぶしいので。ライトは物を明るく照らすだけで、私の眼がいたむことに関心はない。また、皆様の顔がよく見えないので。講演の際には、私の話を聞いて寝てる人がいるんじゃないかと思って、来場者の方々を見るようにしてるんです」とお話になり、場内爆笑。
hhdl_photo
1.講演のポイント

・自分はいつも「人間の価値」を高めること(promotion of Human Value)を提唱してきた。これは異なる宗教の間での相互理解を深める際に、自分はこのことを説いて来た。

・慈悲(Compassion)と執着(Attachment)を区別して考える必要がある。
後者は自分にとって特別な人に対して注がれるもので、無明(Ignorance)につながり、また嫌悪(Hatred)を生み出すものである。今の世界の問題もこの執着の心が生み出したものと言える。
前者は分け隔てなく注がれるもので、智慧に結びつくものであり、悩み(Concern)や苦しみ(Suffering)から自由になろうとするものでもある。

・では慈悲のこころを高めるにはどうしたらいいのか。祈りや瞑想は必ずしも必要なものではない。そもそも愛や慈悲の心は命あるものが生きていく上で必要なものであり、それぞれに自然に備わっているものであり、自分の心の平穏とゆったりした気持をもたらすものである。自然に備わっているものであるから、宗教に対する信心があるかどうかは問題ではない。

・他者への思いやりをもつことである。人は他者に対して依存している。他人に金銭などの見返りを求める人間関係のなかではしがらみだけが生まれて、慈悲の心は求められない。

・ものの見方については、多面的なものがあることを受け入れないといけない。それが現実でもある。同時に、その本質にあるもの(One Common Object)を見失わないようにしないといけない。事物はいつも変化しているが、より広い視野から見れば、その本質が見えてくる。


2.質疑に答えて
(Q)子供に対する虐待が増えているが、どう考えるか。
(A)両親が育った環境もあるのだろう。ケース・バイ・ケースであろう。

(Q)日本国憲法第9条をご存知か
(A)よく知らない。今回の滞在の間に見てみたい。

(Q)教育現場での心の不安定な子供たちに対してどうしたらいいのか(教師から)
(A)学校の現場を知らないからよく判らないが、よき人であるためには、外面的な礼儀作法、知識だけではなく、人間性の創出が必要だろう。

(Q)過去世、現世、来世で人間として生まれた目的は何か。
(A)来世については、宗教的な話。来世の存在を受け入れる宗教もあるが、そうでないものもある。過去は過去であり、来世は現世にどう生きるかにかかっている。だから現世が重要なのである。
(At present life, past is past. Future depends on the present life.Present life is important.)

では現世で生きる意味は何か。それは暖かい心を持つ人となることである。できる限り、他者を救う(Save Others)ことである。せめて他者に害を与えないことである。広い視野で長い目でみないといけない。

(Q)最近日本で小さな子供を殺すなどの事件が起こっている。死刑制度もあるが、慈悲の観点から法王はどう考えるか。
(A)アーリアデーバの言葉を引く。「自分が嫌悪するものがいなくなったとしても、それだけで心の平穏が保てるのであろうか」。

(Q)不必要な感情を捨て去れば、心の平穏が得られるのではないか。どうしたらいいのか。
(A)それは難しいことだ。仏教では、個人レベルではそういうネガティブな感情を捨て去ることができるとなっているが、それは簡単なことではないし、あくまでも個人のレベル。
 社会全体とすれば、そういうことは不可能である。せめてそういう感情を最小にすることだろう。
 
(Q)"Love"と”Compassion”はどう違うのか。
(A)英語での違いはよく判らない(笑)。チベット語ではLoveに相当するのは”チャンバ”で、これは幸せになってほしいと願うこと、Compassionは”ニンジェ”で他者の苦しみをなさないという慈悲に相当する。

質疑応答の司会は木内みどりさん。最後の花束贈呈は川原亜矢子さんでした。

|

« ダライ・ラマ法王来日(その2) | Main | 報道:ダライ・ラマ法王の動静 »

Comments

タシデレ!時々拝見しています。
さっそくのダライ・ラマ法王の講演についての記事、ありがとうございます。
ダライ・ラマ法王が日本にいらっしゃるというだけで何か平和な気分になるし、ただただうれしい気分になっています。8日からずっとダライ・ラマ法王の笑い顔と一緒にいる感じです。
これからもいろんな記事を読ませてください。楽しみにしています。

Posted by: テンチュン | 2005.04.10 07:02 PM

 おおーあさださんいらしてたんですか。昨年の「チベタン・スマイル」では会場でバッタリできましたが、あれだけのすごい人出では分かりませんわね~(^^; それでもいろんな人がうろついていて壮観でした。講演中、時折客席が「ヌイて」スクリーンに映し出されてましたが、暗いせいもあって牧野衆院議員以外分かりませんでした。誰を写したかったんでしょうね。
 川原亜矢子女史は背が高かったなー。贈られたカタにとまどう様子がほほえましかったです。

Posted by: うらるんた | 2005.04.10 07:40 PM

>テンチュンさん

今後ともよろしく。

>うらるんたさん

当日の会場では物販の裏方やってましたので、会場に誰が来てたかは全く見られませんでした。
誰をみたか、差支えがあれば直メールででも教えてください。

Posted by: あさだ | 2005.04.10 09:30 PM

はじめまして。
トラックバックさせて頂きました。
どうぞよろしくお願い致します。

ほんとの所、自分のページから
こちらのページに飛べるようにしたかったのですが
逆になってしまいました・・・・すみません。

読みたい記事がたくさんあります。
またゆっくり伺わせてください。

Posted by: Yoko☆ANGELica | 2005.04.12 06:50 PM

日本のTibetan Smile/チベタン スマイル、 Norbulingka Japan/ノルブリンカ ジャパン のリクエストによって行なわれる Announcement of the 30th Kalachakra Empowerment by HH the 14th Dalai Lama http://www.kalachakra2006.com/ に行きたいのですが なにか 日本発の情報があるか 御存知ですか?

Posted by: unagi | 2005.05.13 12:27 AM

06年のカーラチャクラについて(インドで開催)

調べてみたところ、本件に関しては、ダライ・ラマ法王日本代表部サイト
http://www.tibethouse.jp/news_release/2005/050408_kalachakra.html
で情報がありましたが、引用の英語サイトの日本語訳です。

Posted by: ちべ者(管理者) | 2005.05.13 01:15 AM

Hello! Good Site! Thanks you! skovziasfdcpkp

Posted by: kvlmmkwdsz | 2007.09.03 07:54 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference ダライ・ラマ東京講演会:

» 春だった!! [Flying Paldenlhamo]
6日から10日まで、東京の友達ん家に泊まって遊びまわった。 メインの目的は、9日の[ http://55tibet.way-nifty.com/tibemono/2005/04/post_cdb8.html ダライラマ法王来日公演]と8日の[http://hige-travel.cocolog-nifty.com/top/2005/02/0210_.html 騎馬オペラ ジンガロ] でも何より驚いたのは、桜が満開だったこと! だって小千谷にゃ未だに1mほどの雪が残ってて、高速バスでトン..... [Read More]

Tracked on 2005.04.11 10:12 PM

» ダライ・ラマ法王来日講演 [AngelicaDiary]
ダライ・ラマ法王来日講演「思いやりと人間関係」楽しみにしていた日。一度、お会いしたかったぁ。どんなふうに私のハートが感じるのか興味もありました。両国国技館の2階マス席。お相撲の時は、そのマス席に4名座るらしいけど2名の席になっていたので、ゆったり座る事...... [Read More]

Tracked on 2005.04.12 06:28 PM

» そもそも私がチベットへ行こうと思ったのは・・・ [Flying Paldenlhamo]
子供の頃からお寺は好きだった。 父親に連れられて近所の法事に行っては、お念仏を歌うのも好きだった。 だからと言って我が家は、毎朝「般若心経」を唱えるような、熱心な仏教徒という訳ではない。 生活の中に普通(・・・の基準て判りませんが^^;)に仏様があるという、典型的な田舎の家 大人になってダライ・ラマ法王のことは、まず新聞などのメディアで知った。 世界情勢にも興味あったから、チベットの場所やおかれている状況などは一般常識程度には知っていた。 法王様のことは「愛にあふれた強い人」..... [Read More]

Tracked on 2005.04.23 05:35 PM

« ダライ・ラマ法王来日(その2) | Main | 報道:ダライ・ラマ法王の動静 »