中村さんの「チベット茶館」で、ウイグルとチベットのガイドさんの記事がありました。
で、チベット自治区旅游局のサイト「中国西蔵旅游」で、6月10日時点のチベット自治区での”規範研修”を受けて、試験をパスした観光ガイドさんのデータが掲載されてました。
規範研修とは、国家旅游局あたりが決めたカリキュラムに則った研修コースてことでしょう。筆記試験と実地でガイドする実技試験があるとか。
現在チベット自治区の観光ガイドは合計646人。
で、話せる言語別に見ると
言語 |
ガイド数 |
うち チベット人 |
チベット人シェア(%) |
漢語 |
295 |
48 |
16 |
英語 |
286 |
233 |
81 |
日本語 |
43 |
23 |
53 |
独語 |
10 |
8 |
80 |
仏語 |
9 |
7 |
70 |
その他、スペイン語1人、広東語ガイドが2人。
ガイドさんにも全国級と地方級があるんだそうです。
上記の43人の日本語ガイドで全国級は36人。うちチベット人は22人(61%)。残余の7人はチベット地方級。
チベット人以外は漢人です。さすがに回族とかはいないか。
基本的に個人旅行なんで、ガイドさんと交流はないので、実態はわかりませんが、データ見る限りでは、チベット人比率が割と高いですね。ただし、ドイツ語とかフランス語は数が少ないので、シェアを論じるのは意味があるかどうかという問題はあるけど。
で、日本語ガイドは英語ガイドに比べてチベット人のシェアが低いけど、英語はチベットの中学高校でも教えているせいか、それともインドやネパールで勉強してきた人が多いのか・・・。
あと、最近までチベットの大学では日本語学科がなかったという事情もあるかも。今後に期待。
で、04年のチベット自治区への外国人旅行者数は合計で大体9万人弱で、地域別にみると、
地域 |
人次 |
アジア |
27,911 |
欧州 |
33,666 |
南北アメリカ |
20,311 |
大洋州 |
4,694 |
アジアは日本を含めて、他には韓国、シンガポール、タイなど。
中国本土からは87万人次くらい来てるそうです。
このほかに香港、マカオ、台湾で7千人次あたり。
「人次」というのは”延べ人数”。定義はよく判らないんですが、一人がラサ、ツェタン、シガツェと行くと3人次、ってことかな?
日本だけのデータはネットでは見つからなかったですが、アジアのほとんどが日本でしょう。
99年データだと、日本11,409人、韓国880人、シンガポール1,130人。タイ323人。
>こっちは「人」。
旅行者数とガイド数を比較してみると、
99年のシェアを基に、アジアの旅行者数の8割が日本人として2万人次でガイドさんは43人。単純計算でガイドさん一人当たり客数約450人次。
その他が7万人弱として、英語+独語+仏語でガイドさん約300人。単純計算でガイドさん一人当たり客数約230人次
この観光客数にはガイドなしの個人のバックパッカーのような人も含まれている(実感的にはこちらの方が大多数という気もするけど)ので、実際にガイドさんが1年に面倒を見る客数はもっと少ないハズですが、こうしてみると、チベットの日本語ガイドさんって結構大変みたいですね。
ドイツ、フランスも日本並みに来てるようですから、独語、仏語ガイドも日本語並みに大変そうですが、彼らはいざとなれば英語ガイドでなんとかなりそうだし。
チベット人で、日本に来て、新宿のラーメン屋でバイトしながら日本語を学び、今はラサで日本語ガイドやってる人もいるとか。最近読んだ本にあったけど、どの本か思い出せません・・・・。
原文はこちら
統計データの出典はこちら
99年のデータは「西蔵50年 旅游巻」(民族出版社 2001年)
【追記】コメントを受けて一部記述を修正しました。「人次」の扱いです。
Recent Comments