« こんどは英国のチャールズ皇太子 | Main | パンチェン・ラマ10世の娘さんインタビュー(2) »

2005.11.15

記事:パンチェン・ラマ10世の娘へのインタビュー

パンチェン・ラマ10世(1938-1989)には1983年生まれの娘さんがいます。
パンチェン・ラマ10世は1962年に中国政府を批判したとして、失脚、投獄されてました。1977年に釈放されてのち、本来チベット仏教の僧侶として妻帯はできませんが、1979年に漢人女性と結婚、1983年に一女を設けました。
pchn

その娘さんへのインタビューがオーストラリアのThe Age紙に掲載されてました。記事はこちら

内容をざっと。

・パンチェン・ラマ10世の娘の名前はYabshi Pan Rinzinwangmo(ヤブシ・パン・リンジェンワンモ)。友人はRenjiと呼んでいるが、多くの人には”チベットのプリンセス”と呼ばれている。母親はLi Jie(李潔)。元人民解放軍の軍医で、国共内戦の際の著名な将軍の孫娘。

・10年間アメリカで勉強した。ロサンゼルスの高校、ついでワシントンのAmerican Universityで政治学を勉強し、今は中国に戻ったばかりで、エリート大学の北京の清華大学で博士号取得のための勉学を続けることになっている。中国に戻るに際して、中国国内のどの大学で何を勉強してもいいと言われてきたが、それは「中国の最高指導部」、基本的には胡錦濤国家主席からそう言われた。
 
・彼女は自分の将来の役割を「団結者」(unifier)と考えている。「私は自分のなすべきことを、パンチェン・ラマ10世の娘としてはっきり認識している。チベットの人たちは自分をプリンセスと呼ぶが、チベットの人たちは希望と夢を私に託している。またチベット人は私が何かをなすことを期待している」
 
 (この項つづく: 現在のパンチェン・ラマ11世に面会した時の話などが続きます。)
 
 写真はThe Age紙掲載の北京の自宅での風景。

ついでに私はこの人を02年夏のラサでちらっとみたことがあります。ジョカンに人だかりがして、カタを捧げる人が一列に並んでいるので、どこかの高僧でも来たのかと思って、よく見ると若い女性でした。後できくと,このパンチェン・ラマ10世の娘さんということでした。

|

« こんどは英国のチャールズ皇太子 | Main | パンチェン・ラマ10世の娘さんインタビュー(2) »

Comments

興味深い記事を紹介してくださり、ありがとうございました。

ちょっと調べてみたら、The Sydney Morning Heraldという新聞にも"Bridging the Gap"と題されて、同じ記事が掲載されてました(記者も同じ)。
http://www.smh.com.au/news/world/bridging-the-gap/2005/11/11/1131578237462.html
こっちの方が少しThe Age掲載のものより少し長めで、それによると清華大学での専攻は金融のようで、その他にもチベットの伝統薬の店を経営したり、チベットで活動する赤十字などとも仕事をしている、と書かれていました。

ちなみに、李潔については、イザベル・ヒルトンの『高僧の生まれ変わり チベットの少年』でも触れられてますね(第12章 パンチェン・ラマの妻)。あと、95年に撮影された著者と李潔とRenjiの写真も掲載されてました。

Posted by: ryohei@iTibet | 2005.11.16 11:51 AM

The comments to this entry are closed.

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 記事:パンチェン・ラマ10世の娘へのインタビュー:

« こんどは英国のチャールズ皇太子 | Main | パンチェン・ラマ10世の娘さんインタビュー(2) »