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2006.04.29

今は毛皮を着ろと。

今年初頭、インドで開催されたカーラチャクラの際にダライ・ラマ法王が”自然保護のためにもチベット人が伝統的に着ている毛皮はやめよう」と言ったところ、それがあっという間に中国内のチベット文化圏に伝わり、特に青海省ではチベット人がお寺に毛皮のついた服を持ち寄り、盛大に火をつけて気勢を上げていて、という話はここでも記事にしました。こちら

最近の報道では、青海省政府のエラい人(省政府宣伝部長と党委員会統一戦線部主任)が青海省のTV局に来て、チベット語放送のキャスターに対して”番組に出る際には毛皮をつけた衣装を着ろ。これは強制てなもんだ”と言ったんだとか。

Tv
写真はラサの西蔵電視台のチベット語放送の画面ですが、ニュースのキャスターはチベットの伝統衣装のチュパを着て登場。この襟の部分に毛皮を入れろということのようで。


で、言われたほうは、多分、ダライ・ラマ法王の言葉も念頭にあったのか、「カネがないから、そんな毛皮付の服なんて買えませんよ」とやんわり抵抗したところ、「これは政治の問題だ。カネがないてなら、政府からカネを出すから」というので、衣装代として1万元(15万円)が支給されたんだそうで。

ネタ元はアメリカ政府支援のRadio Free Asiaのチベット語放送。記事原文はこちら(英語)。

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2006.04.23

またまた当面のTV番組

このすぐ下の記事で紹介した”チベットの龍”の番組でがっかりした方、残念でした。

私は録画を早送りでみて、速攻消去しました。そういうこともあります。

これに懲りず(^^;、今週のチベット関係TV番組です。

4/24(月)、25日(火) 21:00-22:50 NHK-Hi

「百仏巡礼 アジア・仏の美100選」

番組サイトの紹介↓

「前編」では、仏像の名品を見ながら、釈迦(しゃか)の生涯を振り返る。また、スリランカ、タイ、ヒマラヤ、韓国など、アジア各地の祈りの現場を訪ね、仏の美を慕い、守り伝えていこうとする人々をリポートする。
「後編」では、ガンダーラで誕生した仏像が、やがて壮麗な美術を生み出し、中国、日本へと伝わる歴史を、名作を見ながらたどっていく。

04/28(金)  23:30-24:25  NHK-Hi

ハイビジョン特集「黄龍 五絶の神秘」

中国・四川省の世界自然遺産。チベット文化圏にある九寨溝。

04/29(土) 15:05-16:00 NHK総合

「中国の絶景・シャングリラ~聖なる山の理想郷」

雲南省北部のチベット文化圏の中甸(ギェルタン)あたり。再放送です。

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2006.04.22

当面のTV番組

04.22(土) 19:00-20:54 テレビ朝日
 「緊急報告!!(秘)超常現象世界スクープサミット」
”チベット上空で伝説の竜を目撃&英国で標本発見”

内容的にはよくわかりませんが、ほかには、”中米発…宇宙人誘拐未遂の(秘)決定的瞬間”とかも取り上げるそうで。

チベットの仏教信仰に基づく深い精神性、あたりを取り上げた番組ではないことは明らかですね(笑)

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2006.04.17

突然、タルチョ

家の近くを歩いていたら偶然遭遇。

Cimg0561 タルチョについては、チベット式の記事で「チベット式祈りの旗“タルチョ”は進化するアートだ」あたりで。 こちらに。

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2006.04.11

チベット亡命政府のアピール:胡錦濤中国国家主席の訪米に際して

Samdhong 中国の国家指導者が欧米に行くと、チベット支援団体がデモをやったりします

1999年10月の江沢民国家主席欧州訪問とか(記事はこちら)、2005年11月に胡錦濤国家主席が英国に行った際にもそうでした(記事はこちらとか)。

今月下旬に、中国の胡錦濤国家主席がアメリカを訪問することになってます。そこで、チベット亡命政府のトップ(Kalon Tripa)であるサムドン・リンポチェ(写真)から、アメリカやカナダのチベット人および支援団体に対して胡錦濤国家主席の訪米中に抗議活動を行わないようにとの要請が行われました。

これは、第1の理由としては、現在進行中の中国との対話プロセスに悪影響を与えないようにということ(具体的にはryoheiさんのiTibetのこちらとか)。

 第2の理由としては、ちょうど同じ時期にダライ・ラマ法王もアメリカにいる予定である(4月末から南米訪問が予定されているため、トランジットでしょうか)ので、法王に困惑を与えないように、ということのようです。

昨年の胡錦濤の欧州訪問の際の抗議行動のせいで、中国ーチベット亡命政府の対話が3ヶ月停止されたことがあったそうです。

 このせいか、今年3月10日のダライ・ラマ法王のチベット蜂起47周年の声明でも

”チベット中央行政府のカシャック(内閣)は、亡命チベット人社会と国際社会の支援者の皆様に向けて、対話のための良好な環境づくりに尽力するよう、何度も呼びかけてきました。私たちは、中国・チベット問題の解決に欠かすことのできない現在の対話プロセスを成功させるためには、いかなる努力も惜しまないことを、強く申し上げたいと思います。また、私は、カシャック(内閣)のアピールに基づいて、すべてのチベット人がこのアピールを心に留めてくれるよう強くお願いしたいと思います。

また、チベットを支援してくださる皆様や、チベット人に同情を寄せてくださる皆様にも、同じことをお願いしたいと思います。”

というくだりがあり、今回の亡命政府の呼びかけでも、もし、抗議活動が行われたとしたら、ダライ・ラマ法王のこのような指示を留意もしないし、実行もしないという印象を対外的に与えることになる、としています。

今年、ダライ・ラマ法王が毛皮を着るのは自然保護の観点からやめようと述べたところ、それがあっという間に中国域内のチベット文化圏に広まり、各地で毛皮を燃やす集会が行われています(記事はこちら)。

毛皮を燃やすのは、形を変えたダライ・ラマ法王への支援表明と中国政府への抗議活動という見方もあります。

中国との対話進展を望む立場からの、ダライ・ラマ法王も含めたチベット亡命政府の胡錦濤への配慮がどこまで徹底されるのか。2005年9月の胡錦濤国家主席訪米の際にも同様の要請が出されていましたが、同年の欧州訪問では効果がなかったということでしょうか。

原文はこちら(英語)

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