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2006.07.28

続:護国寺の砂マンダラ

7月24日(月)に東京護国寺で、インドからチベット仏教僧侶を招いての砂マンダラ制作について。

この日は、声明が終わったあと、インドのギュトー寺の僧侶、ギャルツェン・ロト師の講演もありました。大体こんな内容であると私は理解しました。

1.ギュトー寺院の生活
ラサで創建。530年の歴史がある。1959年にダライ・ラマ法王がインドに亡命されて以降、インドに再建。現在はダライ・ラマ法王が住まうダラムサラにある。

現在は400人の僧侶がいる。うち100人は最近入ってきた僧侶。生活については、
朝04:30起床 2時間の勤行。07:00終了。
09:00-10:00は経典の勉強で10:00にはお茶が出る。そのあとは論理学や文法の勉強。
12:00には昼食。13:30まで昼休み。午後は15:00に休憩を挟んで、お経を暗記するもの、学課をするなど。
17:00に夕食。夜はその日学んだことの復習。上級者は問答などして22:00消灯。

儀式のある日は15:30から勤行。

2.参加された方に
よいことを行えばよい結果を生む。生きとし生けるものはみな幸福になりたいと願っているが、努力しないとよい結果は生まれない。

3.質疑
(Q)勤行ではどのようなものを行うのか。
(A)般若心経や観音経など。幸福を祈念するほか、世界平和を祈念することも。

(Q)食事は何を食べるのか。
(A)チベットではバター茶が有名であるが、インドにいると紅茶が多くなった。ギュトーでは肉は食べない。オカズは唐辛子だけということもある。

(Q)声明を唱える僧侶について、どれくらい声明の修行をするのか。
(A)11-12年で一人前となる。僧侶としてはまず6年勉強して一人前となり、専門分野を持つことになる。

(Q)チベット内部のお寺との関係は
(A)以前は全く没交渉だが、関係がよくなってきた。しかし最近はまた厳しくなってきた。(中国内部の)チベットでは気をつけていないといけない状況。

講演の概略は大体このあたりでした。2006gyuto_1

で、調べてみると、Hhk17bioweb1999年12月にチベット自治区のツルプ寺からインドに出国したカルマパ17世も現在、ギュトーに住まわれており、毎週水曜日と土曜日には面会の時間もあるようです。カギューオフィスのサイトはこちら

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2006.07.27

報道:護国寺砂マンダラ

産経新聞サイトに記事がでました。Sha0401

記事の冒頭は↓。

極彩色の砂で浄土を描くチベット仏教の「砂曼荼羅(まんだら)」の制作が、東京都文京区の大本山護国寺で公開されている。北インドから僧侶が来日、9日間かけて完成させるもので、その静謐(せいひつ)な世界に、訪れた人からは嘆息が絶えない。

全文はこちら。写真も借りてきました。

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2006.07.26

東京・護国寺の砂マンダラ

Tarcho_1 7月24日(月)にシゴトも早く終わったので、東京の護国寺で開催の” チベット砂曼荼羅ライブパフォーマンス 2006”へ。

会場の護国寺では入り口に5色のタルチョが張り巡らされており雰囲気が盛り上がってます。

主催はダライ・ラマ法王事務所で、公式サイトはこちら

インドのギュトー僧院から僧侶を招いて、砂マンダラ制作のほか、バター細工(トルマ)制作、さらに夕方には声明、講演会と盛りだくさん。Seisaku_1

砂マンダラは7月30日(日)の完成目指して作業中。会場は撮影禁止でしたが、会場入り口に展示してあった制作風景はこんな感じで→。

若い20歳代くらいの僧侶が3人がかりで制作してました。会場にはクンチョック・シタル師がおられて、解説をされ、質問に答えておられました。

砂マンダラの影に隠れて(笑)、バター細工はお坊さん1人で地味に制作してました。バターにツァンパを混ぜて、色をつけていくんですが、バターはインドからわざわざ持ってきたかと思って聞いてみたら「オーストラリア産だよ」だそうで。東京で買ったのか。

で、特に印象深いのが夕方に行われた僧侶による声明。ものすごい重低音の荘厳な響きが印象的。

どんな感じのものかについて、02年にGyutoゴンパの僧侶がアメリカで公演した際のヤマンタカの声明などが体験できます。こちらで。

ついでに、TBSのカメラが密着しており、開催初日の23日(日)には某有名女性タレントも来てたということで、将来何らかの番組になるのかもしれません。

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2006.07.22

当面のチベット関係TV番組

07/24(月) 17:15-17:30 NHKBS-2
中国名園紀行「避暑山荘」
中国の山西省承徳にある清朝の避暑地。チベット・ラサのポタラ宮を模した寺院などがあります。

07/29(土) 27:55-28:20 NHK総合
” 夏・チベットを行く(2)
確かカイラスが出てくるのかな、と。

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2006.07.18

ダライ・ラマ法王訪中の噂

060718094320f9
7月18日朝日新聞朝刊に「ダライ・ラマが訪中? 青海省の仏教寺院に1万人」という記事がでてます(下記)が、これに関して、アムドのクンブム(タール寺)の模様のレポートがありました。

 ここ数日の間、ダライ・ラマ法王がアムドのクンブム(タール寺)にやってくるというウワサが広まり、8千人近いチベット人が集まったとのこと。朝日の記事だと1万人となってますが、このあたりは別に数えてるわけではないのでしょうから。
 
 で、お上が動員もしないのにチベット人が大量に集まると絶対にこうなるというゴールデン・パターンで、16日までに公安や武装警察、解放軍が出てきて、お寺の傍には検問所ができ、集まったチベット人たちにも寺院を立ち去るように指示がだされ、多くは帰ったが、一部はまだ残っているとのこと(写真)。

 ネタもとはInternational Campaign for Tibetのこちら(英語)。

 これに対して、チベット亡命政府は声明を出して、最近ずっと働きづめであったダライ・ラマ法王の身を案じた侍医の勧めにより、7月に予定されていた欧州歴訪を取りやめて、ダライ・ラマ法王は現在完全休養となっており、クンブムや北京を訪問するとの噂は根拠がないとしています。こちら(英語)。

 ダライ・ラマ法王については、7月に五台山(中国山西省)に巡礼に行くという噂が流れてました。ネットで調べた限りでは、既に今年の5月には台湾とインドでそういう噂があると報道されてました。

 ダライ・ラマ法王も五台山参拝の希望を述べています。
 
 今年5月に行われた香港の「亜洲周刊」のインタビューでは、
○もし自分が亡命生活中に亡くなったとしたら、私が達成できなかったことを続けてもらわないといけない。ダライ・ラマ転生は自由な世界にのみ出現できる。
○北京は北京でダライ・ラマの転生を任命するかも知れない。将来、ダライ・ラマの転生が2人いることになるかもしれないといっている。片方は中国政府が必要なダライ・ラマで、もう片方はチベット人の心の中のダライ・ラマだ。
○でも、それはダライ・ラマが望むことではなく、できる限り多くの知恵を使ってできるだけ早くチベット問題を解決しないといけないし「それが五台山参拝を望む理由でもある」と笑って述べている、とのこと。

 原文(漢語)はこちら

 そういえば、昨年5月に記事にした本(”多民族国家中国”)では、ダライ・ラマ帰国を見越して、中国政府は青海省(アムド)の生家のソバに行在所まで建てたというハナシまでありましたが・・・。

 

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報道:ダライ・ラマが訪中? 青海省の仏教寺院に1万人

朝日新聞のサイトから:

17日付の香港紙「蘋果日報」によると、「(チベット仏教最高指導者の)ダライ・ラマ14世が訪中する」とのうわさを聞いた信者ら1万人以上が、14世 の生誕地に近い中国青海省のチベット仏教寺院に続々と集まっている。インドにあるチベット亡命政府系ラジオ局はこのうわさを否定し、冷静な対応を呼びかけ ている。

続きはこちら。

この背景については、”チベット式”06.06.28記事を。こちら。

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2006.07.15

当面のTV番組

7月15日(土)  18:00~18:55  BS朝日
” アジアへGO!~中国幻の桃源郷シャングリラ伝説~”
2005年の再放送。四川省のシャングリラへ。番組のサイトはこちら

7月16日(日)  12:45~13:00  NHK BS-1
” チベット”
環境映像みたいなのでしょう。

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2006.07.11

改定:当面のチベット関係TV番組

07.11(火)   22:15~23:45     NHK-BS1
  " きょうの世界     中国・インド国境開通"
→下記にもあるとおり、7月9日にもNHKで、チベット自治区とシッキムの国境のナトゥ・ラ(峠)が44年ぶりに再会されたというニュースが放映されました。撮影はインド側からでした。

07.11(火)24:00-24:50 NHK総合
NHKスペシャル 黄金のアルキン~中国・天上の大秘境を行く~
6/25の再放送。野生のヤクの群れが迫力。
番組サイトはこちら
アルキン山脈はどのあたりかはこちらあたりを。

ーーー以下は記録用御参考ーーー

07.09(日)07:50~08:00 NHK-BS2
  世界の小さな国 ブータン王国

07.09(日)18:10~18:45 NHK総合
  NHK海外ネットワーク
”中国とインドが大接近 ヒマラヤ山脈を越える交易路復活

去る7月6日に40年ぶりに再会されたチベットとシッキムの境界ナトゥ・ラ(峠)の交易風景でしょう。

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2006.07.07

年内にチベット入域許可証廃止

青海ーチベット鉄道開通はしたけれども、現在のところ、チベット入域の許可証(写真)については、廃止されてないようだというのはここ数日ネタにしてます。

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この鉄道に乗って北京駐在の外国人記者がチベット自治区のラサにはいり、地元政府もサービスに務めて、エラい人が会見などしてるようです。

そこで、チベット自治区の呉英杰副主席(日本でいうと副知事というか県庁の局長に相当)が記者会見で述べたところでは、現在、外国人+台湾人に対してチベット自治区に入る際に必要な許可証については、早急に廃止すべく、中央政府などとの関係部門に協議しており、「年末までには情報が出せるはずだ」とのこと。

北京の中央政府の周永康・公安部長(=中国国内の外国人管理の所管大臣)も、許可証廃止については賛成しており、今年末前までには許可証を廃止となるだろうとのこと。

原文はこちら(漢語)とかで。

現在はまだ廃止はされていないようですが、そのうちに、ということでしょうか。

このチベット自治区入域許可証てのは、一部の中国の旅行代理店としてみれば結構な利権だったでしょう。許可証取るのにホントはいくらかかるか誰も知らないし。

成都からの飛行機で行くとすれば大体500元(7,000円)位てのが相場だったけど、ゴルムドからバスというと、バス代がせいぜい200元(3,000円)のところ、許可証+安宿+ガイドの3泊4日ツアーとかで1,700元(25,000円)取ってたみたいですし。
 

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2006.07.04

TV:青蔵鉄道の報道

7月3日に北京始発の列車がラサに着きましたが、そこには、北京の外国マスコミ記者も同乗してたようです。

で、今日の夜のニュースで同乗した記者のレポートが流れてます。

TBSではサイトで公開してます。
チベット鉄道、一番列車がラサに到着”
(1週間保存ということで、7/10くらいまで見られるようです)

このほか、フジテレビの夕方のニュースでも放映してましたが、なぜか鉄道の車内風景の画像はTBSと全く同じものでした。中国の中央電視台が一括提供なんでしょうか。

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外国人の青蔵鉄道でのチベット入り

台湾のネットの記事でいくつか情報あり。

北京駅で台湾のTV局の記者がラサ行きの切符を買おうとしたら「台湾人と外国人はチベット入域許可証が必要だよ!」といわれたとのこと。

795751飛行機と違って、列車の切符には乗客の名前は書いてないから(写真)、ダフ屋とかから買えばOKじゃん、とも思いましたが、青蔵鉄道に乗車する際に、全乗客は「健康登録カード」というのを提出させられるそうで、そこに名前とか国籍とかの個人情報を書くことになっており、それでバレるようになってるようです。

ちなみに、北京駅の切符売り場では「ラサ行きのキップを買いに来る人はそれほど多くはなく、空きもあるよ」、とのこと。 記事原文はこちら

あと、別の台湾報道では、6月28日に重慶駅に対して成都駅から「緊急通知」というのが来て、そこには「台湾人と外国人の青海―チベット鉄道乗車に際しては、チベット自治区旅游局発行の許可証(入藏批准函)が必要である」とあるそうです。

記事原文はこちら

「緊急」てことは、いざ鉄道の切符を売り出す段になって、「外国人や台湾人はチベット自治区に入る際には許可証が要る」てことに間際に気づいたか、気づかされたんでしょうか。

鉄道開通を期して、チベット入りの許可証が廃止されるというウワサは現時点では幻に終わっているようです。ただ、今後はどうかはわかりませんが。なし崩し的に、というのがよくありますから。

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2006.07.03

青海―チベット(青蔵)鉄道開通

 青海省の西寧始発で600人以上の乗客で満員の第1号列車が7月2日午前0:31にラサ駅に到着したそうです。

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 青海省のゴルムドでは胡錦涛国家主席も出席した開通式が行われたそうです。7月1日というと中国共産党建党記念日で、今年は建党85周年。

大体こういうときは北京で重要講話とかを出すものですが、今年は建党記念講話は前日に済ませて、7月1日はゴルムドまで出向いて開通式に参加ということで、結構気合が入ってるんですね。

 

中国公式メディアでは、そりゃ、歴史的な快挙だとか、自画自賛一色。

一方で、インドや欧米等では一部チベット人や支援団体が、鉄道開通自体をボイコットすべきだ、鉄道には一切乗らないようにしようということで、例えばロンドンでは、青海―チベット鉄道を利用したツアーを企画した旅行代理店に抗議デモかけたりしているようです。

じゃ、空路はどうなんだろ?成都―ラサ航路で使用されているエアバスやボーイングに抗議したりしてんでしょうか?と考えると、この鉄道はチベット支援団体にとってみれば、中国のチベット支配の象徴に祭り上げられているようです。

これに対して、ダライ・ラマ法王サイドは、現在中国との交渉もあることから(現状は、”チベット式”の06.06.28記事参照)、このような”とにかく何でもダメ”的な反対運動には同調もできないんでしょうね。あくまでも中国との間では、話し合いによる“中道”的アプローチを取るべきとしてます。

青蔵鉄道開通に関して、チベット亡命政府の報道官であるThupten Samphel氏が述べたところでは、

・ダライ・ラマ法王は、鉄道の開通を歓迎するが、それは大多数のチベット人に恩恵をもたらすならば、という条件付きの話であり、また、鉄道がチベット人にどのような恩恵をもたらすのか、しばらく見守る(wait and see)よう求めた。

・懸念としては、鉄道の開通により漢人の移民が簡単になり、ますますチベットへの移民が増えていくことである、としたうえでさらに、

・我々の立場としてはチベットにおける観光の振興は歓迎している。外国人がチベットの実際の姿をみる機会になること、また、チベット観光は中国側の統制はあるが、チベット人が経営するホテルに泊まって、店やレストランでおカネを使うことで、いささかなりとも一般のチベット人にも経済的な恩恵が及ぶことになるからである、としています。

記事原文はこちら(英語)。

写真は新華(Xinhua)社サイトから借りてきました。しかし、何か合成くさいというか・・・・。

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