チベット自治区では、今年1月から、自治区内の観光ガイドについて、新政策を発表しました。原文はこちら
○07年から、旅行ガイド資格試験の受験資格者については以下の条件を満たすこと
・中国共産党を擁護し、社会主義を擁護し、党の基本路線、方針、政策を擁護し、4つの基本原則を堅持することを自覚し、国家の法律法規を遵守し、祖国の統一と民族団結を積極的に守ることを自覚し、立場をしっかり持ち、旗幟を鮮明にして分裂に反対し、社会主義新チベットを熱愛し、チベットの観光事業を熱愛すること。
→最近の共産党中央の文件に比べて、まだまだドぎついですね。
「旗幟を鮮明にして」というのは89年6月の天安門事件直前の「旗幟を鮮明にして動乱に反対しよう」とかいう人民日報の社論を思い出させるものがあります。てことでセンス的には20年近く前ってあたり。
・身体健康、年齢は18-35歳。身長は男は165cm以上、女は155cm以上。
→身長制限って、どういう意味があるんでしょうか?
関係ないけど、スチュワーデスは158cm以上って制限があるらしいんですが(こちら)。荷物棚に手が届く身長でないといけないってどこかで聞いたことがあります。旅行ガイドで身長が低いと困ることって何でしょうかね?人ごみで判らなくなるってあたり?
・ガイド証を取り消されたことがないこと、犯罪歴がないこと、違法出入国をしたことがないこと、邪教組織のメンバーでないこと。
→違法出入国をしたことがない、というのがチベットらしいですね。ネパールやインドに、ってことでしょうか。
で、新政策の多分最大のポイントは、
・チベット自治区に戸籍がない者(戸籍が内地にあり、チベットで働いている者を含む)については、日本語、韓国語、イタリア語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、ロシア語、ヒンディー語等の少数言語ガイドに限って受験できる
→ということで、漢語や英語、(あとは広東語とか?)のガイドの受験資格については、チベット自治区に戸籍がある人(生まれ育った人)でないとダメということになっているようです。
チベット自治区以外のたとえば青海省とか甘肅省の人が、ラサでガイドをしようと思っても、漢語(中国語)や英語ではガイド試験の受験ができないことになります。
こういう形での露骨な地元優遇策というのも中国全体としてみれば採用されにくくなっているとは思うのですが。やはりチベット自治区で大学や専門学校を出ても、就職先がなかなかないってことの反映でしょうか。
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