評論:Tibetan Questions
後で読むことにしますが、備忘まで。
New Left Review 51, May-June, 2008,
Tsering Shakya, "Tibetan Questions"
インタビュー形式で80年代からのチベット情勢について
作者は1959年ラサうまれ。文化大革命の中で兄と姉は強硬な共産主義者になり、別の兄は反動として投獄。1967年、母親とネパール経由でインドへ。奨学金を得て英国留学。ロンドン大学東洋アフリカ学院にて研究生活。チベット現代史の第一人者。
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ポイントだけ。
Q)1980年代の抗議活動と今年3月10日以降のそれとどのように違うと考えるか。
A)第一に今年の抗議活動は地理的な拡がりーチベットのほぼ全域で同時に発生したようである。この理由は携帯電話と携帯メールの普及にあると考える。
第2に、大きな社会的変化。80年代のデモは基本的には僧侶が主導していたが、今年はチベット社会の各種 の階層が参加したことである。高校生、大学生、知識人、都市労働者、農民、遊牧民のほか、北京などのチベット人学生も。このようにチベット社会の各グルー プが参加したことはこれまでなかったことである。
Q)チベット人が自由に自己表現できるとしたら、最も本質的な要求は何だと思うか。
A)最大の不満のタネは中国当局がチベット人のアイデンティティーの表明が何であれ、それを分離主義と同一視することだ。政府はどのようなものであれ文化的な自主性を認めれば、それが分離への要求にエスカレートすると考えているようだ。これは政府として対応を緩めるべきところ。
チベットでは新聞から雑誌から音楽の流通まで何でも政府の厳しい統制下にあるが、中国国内では独立の出版社が増えている。チベットでのジョークとして、ダライ・ラマは「ひとつの国、2つの制度」を求めているが、人々がもとめているのは「ひとつの国、ひとつの制度だ」というものだ。中国国内で広がっているよりリベラルな政策がチベットでも適用されることを求めているのだ。
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