チベット新年(ロサ)に関して
本日2/25はチベット暦の新年(ロサル)ですが、これに関しての報道をご紹介。
Los Angeles Times, "China expects Tibet to celebrate, or else"
ポイントをご紹介。
○チベット新年(ロサル)は、いつものとおりならば、年で最大のお祭りの時期で、お
香をたき、特別なギョウザをつくり、花火を鳴らしている。しかし、今年は、チベット
の人たちは新年のお祝いはやめて、その代わりに、昨年中国の支配に対して抗議をして
殺された人たちを追悼することとしたとしている。
○2月25日から2週間続く新年の期間が近づくにつれ、緊張が高まっている。ここ2週
間ほどの間、中国政府は中国の西部地域――チベット(自治区)だけではなく、チ
ベット人が多く居住する省についても外国人旅行者に対して門戸を閉ざしている。
○死者120人以上と言われる昨年のデモから1年近くたっているが、チベット人は非暴
力の抗議として今までにない手段を使っている。それは「新年(ロサル)にNO!」と
いうことであり、ダラムサラのチベット人グループが始めたものである。
「歌ったり踊ったりといういつものお祭りをやめて、沈黙を守り、お寺や家でバターラ
ンプをともして、亡くなった人たちのために祈ろう」と先月、このグループは声明を出
した。
○このやり方に、中国当局は苛立っている。対抗措置として、無理矢理のお楽しみの機
会を作り出そうとして、音楽会やパレードや花火や競馬や弓矢競技会を開催している。
本日2月22日からチベットは1週間祝日として、博物館や公園の入場料を無料にしてい
る。チベット自治区共産党委員会は3万7千世帯の低所得家庭に1万円の商品券を配布
した。
○カナダ在住のチベット人歴史学者のTsering
Shaykaは「当局はチベット人が幸せで、
生活もいつもどおりに戻ったということを見せたがっているが、チベット人は不幸にな
っている。問題を解決する代わりに子供だましをしているのだ」と語る。
コロンビア大学のチベット専門家Robert
Barnettは、中国当局が新年を祝わせようとすることは、逆効果になるだろうと語っている。「チベット人は“どうして共産党は自分たちの家の中で何をしろと命令するのだ”というだろうと思う。
○北京の中央民族大学では、チベット人学生が昨年、新年のお祝いを開催する許可を大
学に求めたが、最近になってお祝いは取りやめにしたいといったところ、大学からはお
祝いを開催しなければならないといわれたという。「お祝いは強制なのさ」とその学生
は言った。
○伝えられるところでは2万人の軍隊及び武装警察が最近チベット地域に増派され、青
海省では、村のリーダーに対して、もし村人たちに新年を祝うことはしないようにとい
ったら逮捕すると警告がなされたとのことである。
○チベット人の間でも、新年のお祝いをやめようということに対しては議論がある。あ
るチベット人ブロガーは「ロサのお祝いをしないということは、キリスト教徒がクリス
マスをやめようってことだよね」と不満を書いている。
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